アゲハチョウの斑紋解析
 日本に生息するアゲハチョウの斑紋は複雑な模様を持っています。この斑紋の変異について観察して見ました。季節型は春、夏、ときには秋型、性は雄(♂)、雌(♀)の2種、両者の組み合わせで単純に見ても6通りに分類されます。今までのところ大きさによって斑紋が変わるような事例がないので、6通りについて考察して見ました。
 蝶の各部の名称http://puh.web.infoseek.co.jp/meisho.htm を参考にしました。
 アゲハチョウの翅脈と斑紋の名前:翅の各部名称については「ぷてろんワールド」 http://www.pteron-world.com/topics/anatomy/seichu/wingparts.html を参考にしました。
 
      
             夏型♂前翅表面 A 
            
             夏型♂後翅表面 B
                
 
   
   

  
 アゲハ斑紋の調べ方
 アゲハの斑紋はアゲハチョウ科の中でも複雑な斑紋模様を持っているので簡単に調べる方法を探索してみた。前翅の表(A)・裏(C)、後翅の表(B)・裏(D)のうち前翅の表(A)について検討した。
 (1)標本の画像取得:スキャナーで 150DPI、カラー写真の条件で取り込む。
 (2)VectorMagicのBasic Anti-aliased artwork Low Unlimited color で前処理後四分割して     (VLA)・裏面(VLC)、後翅の表面(VLB)・裏(VLD)の四つの画像ファイルを作成する。 
 
 (3)PopImagingによる画像処理:最初に前翅表面画像(VML)を使って
   (3-1) グレー処理
   (3-2) 2値化
   (3-3) 画像反転
   (3-4) パターン領域解析:測定しやすい13個も斑紋       
       s,k1,k2,k3,k4,m1,m2,m3,m4,m5,m6,m7,m8
      重心、面積、2次重心モーメント、絶対最大長、パターン幅、パターン方向、円相当径、円形度、凹凸 度を測定して次のような表を作成しました。個々の項目の内容説明は省略します。 
 
 
  (4)13個の斑紋について各斑紋の重心を座標原点(0,0)としてス   
   プライン作図用の座標9点((x1,y1),(x2,y2),(x3,y3),(x4,y4),(x5,y5),  
   (x6,y6),(x7,y7),(x8,y8),(x9,y9)を決定する。
 
 (5)各々の斑紋のスプライン画像の座標点をCAnalysis.exe で多変 
    量解析のクラスター分析で斑紋間の類似度をしらべた結果を次のデンドログラムに示します。
 
 斑紋は四グループに大別される。
       @群・・・・・・楔紋(k1,k2)
             A群・・・・・・楔紋(k3,k4),弦月紋(m6,m7,m8)
             B群・・・・・・弦月紋(m1,m2,m3,m4,m5)
             C群・・・・・・星(s)
 今回はアゲハ夏型♂(雄)の前翅表面の13個の斑紋の9点座標のスプライン関数を利用すると、斑紋の分類が可能となった。更に夏型♀(雌)、春型(♂)、春型(♀)、秋型(♂)、秋型(♀)等の斑紋の形さらに色彩等を考慮すると個体識別や兄弟姉妹の分類が可能と思われます。
 
            、    
                                                              
                 


      
      

           
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