ツマグロヒョウモン♀の異常型を採集。
                                                               
 2008年9月24日 我が家のビオトープで ツマグロヒョウモンの♀ がいつものようにゆっくりと
舞うように飛翔していた、捕虫網で採集してよく見るといつもとは違う異常型のようである。それも今
まで見たこともないこの蝶の斑紋に興奮してしまった。これは少年時代に標本箱にない新しい蝶を
採集したときよりも大きな感動である。ツマグロヒョウモンは日本に生息する大型ひょうもん類(ウラ 
ギンヒョウモン、ギンボシヒョウモン、オオウラギンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、ウラギン
スジヒョウモン、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、クモガタヒョウモン、およびツマグロヒョウモンの
9種類)のなかでもいちばん地球温暖化で生息範囲を拡大して他の大型ひょうもん類の生息地を
侵略している。これはこの種の祖先が熱帯地方に進出して獲得した他の大型ひょうもんの年1回
の発生に対して、年3〜4回、暖地では4月から夏眠せず11月の末まで活動する習性が幸いして
いる。そのほかに熱帯地方での生存競争を勝ち抜くために獲得した♀が他の有毒植物を食べる 
「まだらちょうの仲間」の斑紋に類似する習性を獲得したことも一因である。
 
     ツマグロヒョウモン♀異常型 表面      ツマグロヒョウモン♀正常型 表面
 
    ツマグロヒョウモン♀異常型 裏面          ツマグロヒョウモン♀正常型 裏面 

 ツマグロヒョウモンは体内に幼虫時代に食べた植物の有毒成分が蓄積されて捕食動物の鳥類
から忌避されれるマダラチョウ科のカバマダラをモデルにして擬態をしているとされている。それは
他の無毒なメスアカムラサキの♀やルリモンジャノメの♀のような例もある。今回採集した蝶の斑紋
模様は今までの小さな変化をした異常型とは大きく違っていた。それは東南アジアに多く生息する
「ハレギチョウ」の仲間にたいへん似ている、それはハレギチョウの仲間も幼虫時代にトケイソウ
を食べて成虫の蝶になっても体内に有毒成分を持っているため他の捕食動物に食べられずに
繁殖しているとおもわれる。若しかして祖先のことを思い出したのでは?。


 
参考文献 学研の図鑑 世界のチョウ

 
                        



  
                                           





 





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